チャラ男に恋したなんて本当にバカだ。
電車のアナウンスが、あたしの降りる駅を知らせる。
(もうこんなとこか……)
改札を抜けて駐輪場へ向かった。
あ、駅まではチャリ通だから。
薄暗くて早く帰りたくなる場所だから、いつも慌てて鍵を開けていた。
「よし、早く帰――」
――ガシャンッ!!
「!?」
――ガシャン、ガシャン、ガシャン、ガシャン、ガシャ――……
ド、ドミノ倒し……?
後ろを振り返ると、自転車が見事に全滅していた。
まさに悲惨な状況。
だけどあたしが倒したわけじゃない。
……じゃあ、誰が……?
まさか幽霊じゃ……。