一番近くに君が居る

「ほら、ココ行くぞ!帰るぞ!」


直ちにここから離れようと直哉はココに帰るよう促す。しかしココは「えーっ」と、言う事を聞こうとしない。


「じゃあ翔君も一緒に帰ろう!」

「!、帰らねぇよ!アイツとは帰ら、」

「おう!んじゃあ行こうか」

「 ‼ 、なーに言ってんだよおまえは!道だって逆だろうが!おかしいだろ!」

「え、駅の方なの?じゃあ駅まで送ろう!ねぇ直哉!」

「えーありがとう牧君ー」

「ありがとうじゃねぇ!行かねぇ!もういい!行くぞココ!」

「えーっ!」


愚図るココの手を引き直哉が歩き始めると、ココは名残惜しそうにしつつも「翔君またねぇー!」と手を振った。

直哉が振り返ると、笑顔で小さく手を振りながらクスクス笑う翔の姿が目に入る。

直哉は、余計に歩く足に力が入るのを感じた。


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