一番近くに君が居る

そうか、今日から俺が部活だから…それでか。

それからココの家を出て学校へ向かう途中、ココは一切暗い表情は見せなかった。いつも通りににこやかな表情で話をするココ。そんなココを見て確かに直哉も安心した。


「それじゃあね！今日から部活頑張ってねー！」


そして、教室へと向かっていくココを見送って直哉も教室へと到着する。安心した。安心したけども、なんだか少し…、


「複雑なのか？」


ハッと我に返ると、直哉の目の前には翔が立っていた。


「入口でボーッとすんなよなー」


なんて言いながら横を通り過ぎる翔に、またしても心を読まれてしまったのが悔しい。


「書いてあったのかよ、俺の顏に」


直哉は席に座り、ジロリと翔へと視線を向けて尋ねた。すると翔はニヤリと笑って…とても楽しそうにしながら一言、直哉へと告げる。