一番近くに君が居る

念には念をいれて翔に言い聞かすと、「はいはい分かってますよ」と、先程と全く同じ返事を適当に返され、ついこの野郎と思う気持ちを隠しきれない直哉。

しかしどう思おうと今は迎えに来た他の部員と共に部室へと向かわねばならない。渋々といった様子で直哉はその場を後にした。


その後、部室から体育館へと移動する直哉達バスケ部部員。全員集まり次第、体育館でマネージャーも含め全部員の紹介をする予定になっているようだ。

そして向かった体育館。直哉は他の部員とワイワイやりながら到着したそこで、急に後ろから肩を叩かれる。その合図に反射的に振り返った瞬間、まさかの人物にギョッとし、思わず言葉が出る前に口元で引っかかってしまった。


「み、美穂…!」

「またよろしくね、直哉君」


スラッした背丈の彼女は綺麗な長い黒髪を後ろに軽く束ねていて、そのジャージ姿からしてどうやらマネージャーのようである。
動揺を隠せないそんな直哉の様子を余所に、何事も無かったかのように彼女はニッコリと微笑んでいた。


< 40 / 306 >

この作品をシェア

pagetop