一番近くに君が居る


別に深い意味を持って発したつもりはなかった。だから、


「?、何が?何かあった?」


なんてキョトンと首を傾げて答えられて、翔は思わず笑ってしまった。この子は何も深い意味なんて気にしてない。むしろそんな事には気づいていないのかもしれない。

その事実がポッと胸に温かさを灯した事に再度動揺した翔は慌てて「なんか虫がついてる」なんて誤魔化すように言ってやる。するとそれすら素直に受け取ったココは「虫は恐いよ!取ってよ~!」なんて目の前でジタバタとして、その姿はとても可愛らしく、気づくとクスリと笑っていた翔はすっかりココの事が気に入った自分がいる事に気がついた。


「もう、虫はついてるの分かったらすぐ取ってね!約束だからね!」


虫を取らずに笑っていた翔に対して少し怒ったようにココは言った。でも仕方が無いのだ、虫など始めからついていないのだから。


「はいはい、約束ですね」

「そうだよ!忘れないでね!」


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