everlasting love~幾星霜の果て

トラペジアム



曲を弾き終え、拍手をもらい、ステージを降りてから自分のクラスのところに戻った俺は、真っ先に蜂谷のほうを見た。



目が、合う。

あきらかに不機嫌な表情。



俺と目が合ったことに対するものなのか。

それとも、あの曲を弾いたことに対するものなのか。



その表情だけじゃ分からない。




放課後。

翌日、模擬店で売る焼きそばの下準備をするために家庭科室へと向かう。

幸いなことに、蜂谷も下準備のメンバーに入っていた。




「あっ、教室にエプロン忘れてきた!」




家庭科室に向かう途中の渡り廊下で、倉田が“しまった”という顔をして立ち止まる。





< 162 / 555 >

この作品をシェア

pagetop