白い翼と…甘い香り

「こっち電気消すと真っ暗だし
ベッドの枕元
先に明かり点けてて」

「うん」

言われたとおり
私は先にクローゼットから出て

ベットの枕元にある
小さな明かりを点けた。


「こっち点けたよ」

「分かった」

そう言うと、和也は
クローゼットの
明かりをすべて消し

部屋の中は薄暗くぼんやりと
した照明だけになった。


私はベッドに腰掛けて

和也は歩きながら
Tシャツを脱いだ。

「和也は、裸で寝るの?」

「あぁ」


真っ暗な方が寝やすい?
それとも
小さな明かりは点けようか?
って

何だか良く分からない
寝る前のストレッチみたいな
体操をしながら

そんな事を聞いてくる。





でも、気付いた…

近寄って
すぐに分かったよ。



私の前じゃ
イヤって言ったのに

今、枕元の明かりを点けてと
私を先に行かせて…



きっとその隙に

香水を、つけてる。



私のお願いを

さり気なく
聞いてくれた。



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