白い翼と…甘い香り

■3時間後■


和也が隣りに引っ越して来て
挨拶代わりの
引っ越し蕎麦をもらった。

それから
ほんの3時間…


和也と私は
ベットに、居た。




マンションの管理人に連絡を取れば
もう戻っているかも知れない。

私はそのまま
自分の部屋へ帰ればいいだけ。

和也の腕を振り切って
もう一度ドアを開ければ
元の場所に戻る。


何度も何度もそう思ったのに
私の腕を引く和也の手を
どうしても振りほどけなかった


まだ引き返せるから
自分の部屋へ帰れと
頭はそう命令を出すのに

心が言うことを聞かなくて
欲しいと思う所へ
引き寄せられる。

隣の部屋に帰れば
いつもと変わらない
私の生活が、確かにあるのに…



だけど、そこに

私の居場所は、ない…

だから

何かが、欲しかった。



目の前に居る人を


欲しいと思った。





ものすごく

今までに無いくらい


      熱烈に…



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