この世の中の何よりも
昨日、私は26歳になった。
誕生日になるその時、私は背中に模様のあるヒトの下にいた。
身体を弄られ、舐められて。
そんな時ほど雅を思い出す。
そして、また怒りが膨れ上がる。
今、私がこんなに惨めな思いをしてるのは雅のせいなんだと・・・。
雅が逃げないでいれば、私はこんな思いをしなくてよかったのに。

「悠良。お前の探してた男がみつかったぞ」
また今日も呼び出しが掛かったのか、そう思っていた矢先のこと。
「どこ!?」
私は食いついた。
もう、逃がさない。決して。
必ず見つけて、復讐をする。
そのために、私はこんなにも惨めな姿になってしまったのだから。
「○×県だ。この地図に居場所を書いておいた。」
「・・・行って良いのね?」
まともな職種の人間を相手にしているんじゃない事位解ってる。
もしも見付かっても、本当のことなんか話してくれないかもしれないって事も解ってる。
それがこうもあっさりと事が進むと、何故か疑ってみたくもなる。
私の悪い性格なのかもしれないけど。
「行けば良い。
お前には十分奉仕してもらったさ。
組の為にもずいぶん働いてもらった。
金が要るんなら用意してやるが?」
「いらないわ。これだけで十分よ。ありがとう」
これで、行ける。
雅のところへ。
私がこの世で一番憎い男の所へ。

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