LITTLE
 体育着が裂かれたりしていた為、体育の時間は何かと理由を付けて休んだ。
 私の境遇を、優子や周りに知られない様にするだけで精一杯だった。
 連中に話をしようという気は、その時はどうしてか起こらなかった。
 ただ、嫌だった。
 周りから、虐められっ子のレッテルを貼られるのが。

 しだいに確信犯は由美だけには留まらなくなってきた。
 由美以外の三人も関与している事が、日々の経過を見るごとに明かされていく。
 授業中に私を見つめる数人の視線。
 皆が私に牙を剥いている。
 ただ、私が自意識過剰なだけ?

 日々を耐え抜き、気が付けば十一月になっていた。
 時間が経つに従って、由美を含めた連中の動きにも、何らかのアクションが起こり始める。
 私への攻撃がエスカレートし始めた。

 放課後、私は由美を含めた連中に呼びだされた。
 校舎裏の隅、外トイレとプールサイド近くだ。
 今日は優子の家に行くという約束があるのだが、今まで間接的に攻撃をしてきた連中が、私に直接声を掛けるなんて珍しい機会だ。
 だから連中に連れられるまま、ここに来た。
 由美は気分の悪そうな顔で私から視線を反らす。
「マミちゃぁん。私達にこれだけの事をされて、よく学校に来てるよねぇ」
 なるほど、ここまでされた私が、どうして登校拒否に陥らないかを言及したいわけか。
「別に。あんた達がやりたい事なら、それを私にやればいいじゃん。関わりたくないなら、私に関わらなければいいだけの話なのにね。勿論、私もあんた達となんか関わりたくないけど」
 三人の敵意が私に集中する。
 その瞬間を見て咄嗟に確認を掛けた。
「そうでしょ? 由美」
 確認の意を求めたのは由美に対してだけ。
 由美はビクッと肩を震わせ、泣きそうな表情を浮かべて私を見る。
「ちょっと由美。あんたも何か言ってやんなよ‼」
 一人が由美を横から突く。
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