絶対、逃がさない!(短編)
 だが、そううまくはいかないんだな、これが。



 クラスは七組と、一組。おまけに校舎が別れている。下足場も別。

 何のための、共学?とつっこみたくなるが・・・しかたがない。

 陽菜は電車通学だが、おれは自転車。親に、二駅くらい自転車でいけといわれた。

 

 出会うことがない。陽菜は自分のクラスに引きこもっているかのように、ぜんぜん、みかけない。

 でも、うわさだけは聞く。

 女子代表で挨拶した陽菜は、もう男たちの間では有名人で、よく話題に上る。

 綺麗、可愛い、凛々しい。付き合いたいなどなど。

 気が気じゃない。

 それに男子代表で挨拶した長岡和也も、



「女子代表の、福田陽菜さん。綺麗だったな。生徒会とか入るのかな? おれも、また入ろうかな?」


 とか言い出す始末で、むかつく。

 

 
 

 
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