絶対、逃がさない!(短編)
 雨にぬらさないように気をつけて傘を陽菜にさしかける。

 ふわりと花のような、甘い優しい香りがする。

 華奢で細くて、でも、触れたら柔らかそうで・・・



 ドキドキする。


 
 あの公園まで歩いてきたとき、陽菜があのクローバーのことをいった。

 おれが陽菜から奪い取った、四葉のクローバー。



 陽菜、おれは捨ててない。ちゃんと、持ってる。



 あれを返したら、おれたちの関係は変わるような気がそのときのおれにはしたんだ。



 幸福の四葉のクローバーは、おれたちをかえてくれるはず・・・。



 
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