私の血を狙わないで。





「立花さんー…。君、魔女だよね?」




ドクン…




心臓が大きな音を立てる


な…なんでそのことを…?



「吸血鬼が魔女の血を好んでることって知ってる?」



「やめてください。そんなこと知りません」



片倉先輩の顔つきが変わり、ジリジリと私に近づいてくる



嫌…

こんなの片倉先輩じゃない



もしかして…

片倉先輩も吸血鬼ー…!???




「んぐっ……」


手で口をふさがれ、ベンチに押し倒される



「いい子にしてれば痛くなんかない。」



「んーっ!!…んぐっ……ん」



気付けば、周りには全く人がいない


助けを求めたって無駄な状態。


ニヤッと笑い、片倉先輩が私の首筋に口をつけた



「ゃっ……」


耳に片倉先輩の息が、吹きかかる


歯が首筋に当たった


牙のようにとがった歯が、私の首へグイグイと押し込んでくる



痛い……

お願いだからやめてっ!!!



そう言う力もない。

動く力もない



自分の血が、どんどん無くなってきていることに気付いた


自分の体が冷えている



冷たいー……


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