Love Difference 〜the long ago and the now〜
「確かに。出来たらもう一回、皆で行きたいな。」

「おぅ。このメンバーで、もう一回、近いうちにな。」

後ろ向きに歩いていた薫が、人とぶつかった。

「あっ、……ごめんなさい。」

「『ごめんなさい』で済んだら、警察なんかいらねぇーよ。ぶつかって出来たケガ、どうしてくれるんだ。治療費どうしてくれるんだよ。エエ?」

「…分かりました。責任持ってお払い致します。」

下を向いて話す薫。ごちゃごちゃと文句を言うヤンキー達に怯えていた。

「そうだなぁ。…じゃあ、50万くらい払ってもらおうか。」

「ご……ごじゅうまんっ!?」

千賀也は薫のゆうちょ貯金がそんなに無い事を知っていた。でも、薫は黙って聞いている。

「ついでに、その可愛い顔に一生治らない傷を付けてあげようかな。」

薫の肩がビクッと震えた。顔が少し青くなっている。

「大丈夫?薫、無理しなくても良いんだよ。」

雷青が声をかけてみたが反応は無し。
< 41 / 86 >

この作品をシェア

pagetop