【短編】海に降る雪
■六日目


 翌朝、早めに学校に行き、廃校舎へ向かった。



 第一教室につくと、ドアは閉鎖されていた。



 人の気配がないのを確かめて、ドアを無理やり開けて中へはいった。



 教壇の下を調べる。あった、ユウマの携帯だ。



 私とは対照にジャラジャラつけてたストラップは、すべてはずされていた。



 えーと、保存BOXだったっけ。



 保存BOXには一通だけメールがあった。





 私にむけた、派手な画像とか着メロで装飾された、センスはないけど一生懸命さの伝わる、一通のメール。



『題名:HAPPY BIRTHDAY

 本文:
 エーコ、誕生日おめでとう!

 それと、付き合って大体一年だよね。それもおまけにおめでとう。

 エーコはイベント事好きじゃないっていってたからデートには誘わなかったけど、せめてメールくらい送らせてください。

 エーコは俺のこと、好きじゃないですか?

 俺はエーコのことが大好きです。いつか、ちゃんと好きにさせてみせます。

 だから、これからもずっと一緒にいましょう。

 ユウマ』
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