『若恋』榊の恋【完】
自分のことのように満面の笑みを浮かべるりおさんを見ると恥ずかしくなる。
「喜んでくれるでしょうか?」
「当たり前じゃない!ひかるは榊さんしか見てないんだもの。ね?奏さん」
そう言うりおさんの左の指先には若から贈られたリングが光っている。
「女の子には指輪は特別なものなんだから!」
「俺が選んでやるか?」
「いえ…若のセンスより、りおさんのセンスで選んでくれた方がいいです」
「ずいぶんな言い方だな」
「あまり若はセンスがいいとは言えませんからね。この間、りおさんにプレゼントしたペンダントはやけに大きすぎましたよ」
「…あ?そうか?」
「そうですよ。指輪はりおさんからアドバイスもらいながら選びます」
行きましょう。
自分のマジェスタに若とりおさんを乗せて、宝石店へ向かう。