『若恋』榊の恋【完】



ここか!


鍵が掛かったドアを両手で叩く。


「ひかるちゃん、いるのか!」

中から返事はなかった。

誰もいないのかと思ったがここだけ鍵がかかっていたのも不自然に思えた。



「ひかるちゃん!」


バンッ


思いっきり蹴りあげたらあっさりと戸が外れ、派手な音がして暗幕の中に扉が倒れた。

暗いと思ったのは場所が視聴覚室で暗幕を張っていたからだった。

中にはスタンド電球だけの光。

薄暗さの中、白く浮かび出るものがあった。



「―――なっ?」



目に飛び込んできた映像に息が止まる。



死んだように横たわる何か。


微かに動いているような気もしたが定かではなかった。



床に広がる長い髪。

制服の乱れは見られないものの、床に転がった女性徒の白い顔。



「ひかるちゃん!」




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