吸血鬼は淫らな舞台を見る episode ι (エピソード・イオタ)
眼球が取り残される勢いで急激に皮膚が乾燥し、枯れ木のように崩れ落ちた。
「悪い、少し血を吸いすぎた」
アルファは勇気を持って先頭に立ち、挑んできた隊員に軽く詫びると、思い切り突き飛ばして二人目の体にぶち当てた。
先頭だった隊員の体は土煙を上げてバラバラになり、隊員達がドミノ倒しになっていく。
勝ち誇る暇なく、後方から弾丸が飛んできて、アルファはブロック塀から下り、路地裏を進む。
通りの奥へ走っていくごとに高層の建物が減り、色味のない古ぼけたモルタルの廃屋が続く白と黒のモノトーンの景色が広がった。