吸血鬼は淫らな舞台を見る episode ι (エピソード・イオタ)
こうしたい、ああしたい、とイメージすると勝手に体が動き、あっという間に黒衣部隊を始末してしまった自分に驚きながらイオタは立ち尽くす。
隊員達は自らの記憶の中で死んだだけで、舞台に落ちている死体は人形と変わらない気がした。
やり遂げた達成感や爽快感はなく、空虚な想いが心の中に充満してくる。
手応えがない。
手を見詰めると、役目を果たしたとばかりにフワッと大鎌が消えた。
イオタは死体の数を数える。全部で十三人。
頭と胴体も一致。ヘリコプターから降りた人数から、まずジェーンさんを追いかけているはずの三人を引くと二十一人。