吸血鬼は淫らな舞台を見る   episode ι (エピソード・イオタ)


「おはよう、ガンマ少佐。ガソリンの味はどう?」


質問しておきながらイオタはクルリと背中を向け、舞台から下りる。


そして、もう一度指を鳴らす。


気泡の中にパチッと微々たる静電気が走り、炎に包まれたカプセルは熱に耐え切れずに割れた。


黒コゲに炭素化したガンマ少佐が舞台の床に倒れていく。


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軸座標を雑居ビルの屋上に指定してイメージしたが、イオタは歩道にうつ伏せの状態で倒れていた。

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