蝉時雨




「‥‥‥‥‥‥‥」

「‥‥‥‥‥‥‥」

変に間が空いて、会話が途切れ
沈黙が流れはじめる。

こんなんじゃいかにも意識しちゃってます、
って言ってるようなもんだ。
それが嫌で慌てて話題を探した。






「‥‥あっ、昨日の!!
昨日のマンガどこ?」

「マンガ?何の?」

二度寝を諦めたのか、
京介は起き上がり布団の上に座る。




「昨日菜々子が面白いって言ってたやつ!
続き読もうと思って」

「読もうとって‥‥
お前、どこで読むつもりだよ」

「え?ここでだけど」

「はあ?
何、人の部屋でくつろぐ気満々でいるんだよ。
下行けばいいだろうが」

「えー?
なんでわざわざ下に持っていって
読まなきゃいけないの?
ここでいいじゃん」

不機嫌そうに顔をしかめた京介が、
更に眉間の皺を深くして呆れ顔になる。





「違うだろ。もう用済んだなら
兄貴のとこ行けば、って言ってんの」

「!!」

京介の言葉に体がぴくっと反応して、
一瞬息が詰まる。



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