蝉時雨
「~~~るせーな!!!
耳元で叫ぶな」
「聞こえてるなら返事してよね!!
だから、冊‥子‥‥‥」
言いかけた途中で、
私の方に顔を向けた京介と
ものすごく至近距離で目が合う 。
目と鼻のすぐ先にある
京介の顔――‥‥
唇
それを認識した瞬間、
昨日のことを思い出して
慌てて京介から離れる。
「とっ‥‥とにかく!!
ちゃんと課題やってよね!!」
意識するな、と必死で
自分に言い聞かせるのに
あの時の感触まで鮮明に蘇ってきて
心臓がばくばくと、
急速に脈を打つスピードを速める 。
「‥‥わかったよ」
「そっ‥‥それならいいよ」