愛し方を知らない少女の歪んだ愛
そしてお兄ちゃんは、わたしの目を真っ直ぐに捉えて一言言った。
「美沙。お前、最近おかしいぞ」
その目は真面目で、わたしを見透かしているようで、わたしは急に怖くなった。
それと共に、その言葉でわたしの中の何かが切れた。
それがわたしの理性だと分かるまで、時間はかからなかった。
「……五月蝿いなぁ!」
苛々する。
とてつもなく、苛々する。
まるで貶されているような気分に陥る。
自分が、自分じゃない誰かに侵略されているような気分。
「そうよ、おかしいわよ。それがどうかしたの? お兄ちゃんには関係ないでしょ!」
さっきの怒りが、汚い言葉となって出てくる。
止めたい。
こんな醜いわたし、お兄ちゃんに見られたくない。
だけどその反面、わたしの口は勝手に動く。
「お兄ちゃんはいいね。気楽で。わたしなんてね、わたしなんてね……」
続きをわたしの口が言おうとする。
だが、それをお兄ちゃんが遮った。
それは初めて見る、お兄ちゃんの裏の姿だった。
「……それ以上言ったら、本気で殴るぞ」
小さい声なのに、ものすごい威圧感。
わたしは一瞬で小さくなってしまった。
「美沙。お前、最近おかしいぞ」
その目は真面目で、わたしを見透かしているようで、わたしは急に怖くなった。
それと共に、その言葉でわたしの中の何かが切れた。
それがわたしの理性だと分かるまで、時間はかからなかった。
「……五月蝿いなぁ!」
苛々する。
とてつもなく、苛々する。
まるで貶されているような気分に陥る。
自分が、自分じゃない誰かに侵略されているような気分。
「そうよ、おかしいわよ。それがどうかしたの? お兄ちゃんには関係ないでしょ!」
さっきの怒りが、汚い言葉となって出てくる。
止めたい。
こんな醜いわたし、お兄ちゃんに見られたくない。
だけどその反面、わたしの口は勝手に動く。
「お兄ちゃんはいいね。気楽で。わたしなんてね、わたしなんてね……」
続きをわたしの口が言おうとする。
だが、それをお兄ちゃんが遮った。
それは初めて見る、お兄ちゃんの裏の姿だった。
「……それ以上言ったら、本気で殴るぞ」
小さい声なのに、ものすごい威圧感。
わたしは一瞬で小さくなってしまった。