愛し方を知らない少女の歪んだ愛
「おれがどんなに悩んでいるか知らないくせに、そんな口叩くな」

お兄ちゃんはそう言うと、また携帯に向かってしまった。
わたしはすっかり怯えて、その場にへたりと座り込んだ。

怖い。
こんなお兄ちゃんがいたなんて。

わたしは足に思い切り力を込め、立ち上がった。
少しよろけたが、足は使い物になりそうだ。

わたしは思い切り床を蹴り、自分の部屋へと飛び込んだ。
そして洗濯したばかりのベッドのシーツに飛び込む。

いい匂い。
太陽の香りが、微かにする。

そんなことを思っていると、自然に涙が出てきた。

もう怖いよ。
逃げてしまいたい。

お兄ちゃんへの感情は、もう恐怖のみだった。
だけど気持ちが治まるにつれ、有希への嫉妬心が蘇る。
それはお兄ちゃんを想う気持ちとリンクしていた。

そのときわたしは改めて、お兄ちゃんが好きなのだと実感させられた。
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