炭坑の子供たち(1)
 何年かに一度、市会議員の選挙があると

通りを走る三輪車の荷台から、名前を連呼しながら、たすきがけの候補者がやって来る。

子供達が、面白がって手を振ると

票にならないと、分かっていても

「小さな可愛いご声援ありがとう。おうちに帰ったら、お父さん、お母さんによろしくね」

と、笑顔で手を振って行く。

社宅の横の板壁には、何人もの候補者のポスターが、並んで貼られているが

子供達によって

初めに鼻ヒゲ、次にメガネを書かれ

その次には、あごヒゲとちょんまげ

数日もすると、初めの面影は全くない、化け物となっている。

< 71 / 98 >

この作品をシェア

pagetop