Reminiscence
フェンは棍をぐっと握りしめた。
そして魔方陣の中に入る。
フェンはまとわりつくような浮遊感を感じると、次の瞬間にはさっきまでとは違う森の中にいた。
さっきまでの森も、陽の光がろくに届かない薄暗い森だった。
ここも、薄暗いという点では変わらない。
しかし、見えるものすべてが腐敗し、枯れ、ここにはすでに生命などないのだと実感させた。
周囲には汚染されたマナと瘴気。
事前に魔法によって瘴気から身を守る結界を体の周囲に敷いていたが、これでは魔法も剣技もろくに使えなさそうだ。
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