Reminiscence
「ランジェ」
フェンが呼ぶと、フェンの目の前に白銀の猫が現れた。
「レンカの末裔との邂逅を果たしたな」
「え?」
「巡りはもう止まれない」
「……やっぱりそうなんだね」
「しかし、騎士になるつもりなのか?」
「なるよ」
フェンはきっぱりと言った。
「ただ、いつまでも騎士でいるつもりはない。ちょうど今は見た目だけは男だし、学院を卒業して、結界も修復したら、またリーフェンリア=シャルとして旅をする」
学院に行けることはフェンにとっても大きい。
ネニャフルの学校は精霊との契約者であった関係でいけなかった。
派閥に拘束されることは、どうしても拒否したかったから。
しかし、騎士になれば、それが保護膜となる。
学院にいければ、知識を得ることができる。
探せば、400年前の、建国の歴史もきっと。
そこで、精霊と3女神、結界、建国の王を巡る物語が明らかになる。
フェンはそんな予感めいたものを感じていた。
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