Reminiscence
白銀色の毛並の美しい猫だ。
フェンは猫を抱き上げた。
猫はその手からするりと抜けだすとフェンの小さな肩に器用に乗った。
「その猫は?」
「ランジェよ」
「ランジェ?」
すると猫が怒ったように唸った。
「人ごときが私の名を呼ぶな」
フェンはなだめるように猫をなでると、旅人に向かいなおって言った。
「だ、そうです」
旅人は頭を抱えたくなった。
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