Reminiscence
ティーは慣れた様子で校舎内を歩いた。
その後ろをフェンとアズがついていく。
「試験って何すんだ?」
アズがティーに聞くと、ティーは身振りを交えて説明した。
「学院長との口頭試験だよ。学院長はかなり優秀なウィザードで、人の本質を見抜くらしい。だから、質問には素直に答えたほうがいいな。嘘や誇張はすぐに見抜かれてしまうから」
「へぇ。ってことは小難しー問題を出されたりはしないわけだ」
「本来は記述試験だけどね。僕たちは特別。でもどんな記述試験よりも、本人の最も高い才能を見出すっていうんだから、すごいよね」
「見抜かれる……か」
フェンは性別を偽っている。どころか、存在さえ偽っているのだ。
それを暴かれてこれからも偽り続けることができるだろうか。
いや、そもそも偽り続けなきゃいけないのに、人の本質を見抜く相手に対面してもいいのだろうか。
「フェンの事情は、気にしなくてもいいと思う。学院長は人の本質を公言したりはしないから。きっと次期王の僕にさえ、何かこの国とかを揺るがすような理由でもないかぎり言ったりはしないんだから」
その後ろをフェンとアズがついていく。
「試験って何すんだ?」
アズがティーに聞くと、ティーは身振りを交えて説明した。
「学院長との口頭試験だよ。学院長はかなり優秀なウィザードで、人の本質を見抜くらしい。だから、質問には素直に答えたほうがいいな。嘘や誇張はすぐに見抜かれてしまうから」
「へぇ。ってことは小難しー問題を出されたりはしないわけだ」
「本来は記述試験だけどね。僕たちは特別。でもどんな記述試験よりも、本人の最も高い才能を見出すっていうんだから、すごいよね」
「見抜かれる……か」
フェンは性別を偽っている。どころか、存在さえ偽っているのだ。
それを暴かれてこれからも偽り続けることができるだろうか。
いや、そもそも偽り続けなきゃいけないのに、人の本質を見抜く相手に対面してもいいのだろうか。
「フェンの事情は、気にしなくてもいいと思う。学院長は人の本質を公言したりはしないから。きっと次期王の僕にさえ、何かこの国とかを揺るがすような理由でもないかぎり言ったりはしないんだから」