Reminiscence
「それなら、野盗の根城をついでにつぶしていけば早いし、賞金もでるし、ちょうどいいだろう」
「できるんですか?」
「私一人なら無理だ」
「ですよね?」
フェンは首を傾げ、そこではた、と嫌な予感を感じた。
一人なら、無理。
でも師匠はやる気。
それはつまり。
「訓練の成果をしっかり出せ。ルーナフィアナの力を最大限に引き出すことを許可する」
「えーっ!?」
「シエン、フェンを頼んだ」
フェンははっとして地面に降りたランジェを見た。
ランジェも反対してくれれば、と期待したのだが、
「わかっている」
ランジェは嬉々としてうなずいたのだった。
精霊は人を好かない。
このような、人をこらしめるようなことは大歓迎だったのだ。
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