Reminiscence
フェンと旅人は、野盗の根城があると思われる開けた場所に出ると一瞬で囲まれてしまった。
旅人はとっさにフェンをかばうように抱きしめた。
「わかってるな?」
旅人はフェンに呟くと、顔をあげて叫んだ。
「野盗か!」
「ふふ……馬鹿ですね、あなた達。まさかのこのことここまで来てしまうなんて。今まで何人か同じようなことをしたことはありますが、最後まで気づかずに来たのはあなた達が初めてですよ」
「お前、さっきの商人……はめたのか!」
フェンは旅人のあまりの演技力に唖然とした。
もしや、こういうのは初めてではないのだろうか。
そういえば、さっきもこの商人と話をしていたとき、巧妙に警戒心を隠していたではないか。
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