Reminiscence

「はめられたほうが悪いんです。この世界は弱肉強食。弱いものはすぐに搾取される運命なんですよ！」
商人がそう叫ぶと同時に野盗が一斉に襲い掛かってきた。
旅人はマントをひるがえして片手剣を2本抜いた。
そして青いオーラをまとわせると、かちりと2本の剣を前に交差して合わせて言った。
「奥義、五華湾月剣！」
奥義！？
フェンがぎょっとして旅人を見上げると、旅人は2本の剣を一気に左右に振った。
2本の湾曲した剣筋が月のように膨らみ、左右に迫っていた野盗を一斉に払った。
旅人は、体をひねり、こんどは右の剣を上に、左の剣を下に、すくう様に振った。
その剣筋もさきほどと同じようにして野盗を払う。
そして、旅人はひねった体を戻すようにして、2本の剣を振った。その剣筋は円を描き、残りの野盗をすべて払ってしまった。