担任は優しい旦那様
知らなかった。

「まぁね」

材料を
冷蔵庫に仕舞い、
理香の部屋へと戻り
前橋さんが
持って来た本を
見せてもらう
ことになった。

「色々あるんだね」

テーブルに置いた本を
広げながら理香が
感心した様に言った。

一ページ一ページ
めくりながら
どれがいいかなと
言っている。

目が恋する乙女だ。

可愛いなぁ……

あの頃の自分を
少し思い出した。

まぁ割と早く
告白しちゃったから
なんとも言えないけど。

皆で話していたら、
メイドさんが呼びに来た。

「理香さま、
お夕飯の時間ですよ」

時計を見たら、
いつの間にか
七時になっていた。

「分かったわ」

理香に続いて、
部屋を出た。

リビングに行くと
豪華な食事が
沢山並べられていた。

「美味そう」

海棠さんが
料理を見て嬉しそう。

でも、本当に
美味しそう。

「皆、
好きな席に座って」

自分の席に
座った理香に言われ
適当に座った。

夕飯は
本当に美味しかった。

その後、皆で
お風呂に入り、
理香が用意してくれた
部屋へそれぞれ行った。

次の日、起きたのは
平日と同じ時間。

休日に
こんなに早く
起きたのは久しぶりだ。

マー君と
結婚してからも
休日は二人して
ダラダラと
寝てることが多い。

皆はまだ寝てるかな?

廊下に出てみると
昨日のメイドさんと会った。

「おはようございます
佐川さま」

"さま"付けには
慣れない……

『おはようございます』

「理香さまは
お目覚めで、
他の皆様は
まだお休みですよ」

理香も早起きだなぁ。

『今、何処に
居るか分かりますか?』

「お部屋に
いらっしゃると
思いますよ」

メイドさんは
それだけ言うと
「仕事があるので
失礼します」と
長い廊下を歩いて行った。

トイレに行った後
理香の部屋へ寄った。

『理香、居る?』

ノックしたら、中で
人が動く気配がした。

ガチャ

部屋のドアが開いた。

「華蓮、おはよう」
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