担任は優しい旦那様
『おはよう、理香』

入ってと言われたから
とりあえず、
理香の部屋に入った。

「何で私が
起きてるって分かったの?」

確かにそう思うよね。

だって、今の時刻は
午前六時ちょっと過ぎ。

『昨日のメイドさんが
教えてくれたんだよ』

ソファーに座って話した。

「そっか、
皆はまだ
寝てるんでしょう?」

『うん
私も休日に
早起きしたの
久しぶりなんだ』

話している内に
時計は七時半になった。

『皆、起きたかな?』

見に行ってみようと
理香の手を掴んだ。

「そうだね」

嫌がる様子がないから
そのまま部屋を出た。

私たちの部屋は
理香の部屋を中心に
すぐ右隣りが私の部屋
左隣が海棠さんの部屋
私の部屋の右隣りが
宮藤さんの部屋で
海棠さんの隣が
前橋さんの部屋と
なっている。

まずは左隣隣りの
海棠さんから。

コンコン

ノックしてみる。

「はーい」

起きてるみたいだ。

『海棠さん、おはよう』

「佐川さん、おはよう
ちょっと待ってね
今開けるから」

ガチャッと音がして
ドアが開いた。

「鈴見さんもおはよう」

海棠さんの
格好はカジュアルだ。

因みに、理香は
薄ピンクの
フリフリワンピースで
私はGパンに
水玉のワンピースだ。

「起きてるのは
私たちだけ?」

海棠さんが訊いて来た。

『うん、多分ね』

「他の二人も
起こしに行くんでしょう?」

そう言って、
今度は海棠さんが
私の手を握った。

空いてる方の手で
理香の手を掴んだ。

最初に向かったのは
前橋さんの部屋。

コンコン

私たちが
海棠さんの部屋に
行った時と同じ様に
ドアをノックした。

ガチャッ

前橋さんは
何も言わずに
ドアを開けた。

「おはよう、恋」

海棠さんは前橋さんを
下の名前で呼ぶんだ……
今、初めて知った。

「三人共おはよう」

前橋はTシャツに
半パンという格好だ。

身長が高いのに
細くて色白な前橋さんは
そんなラフな格好でも
格好よく見える。

「これパジャマ代わりだから
着替えちゃうね」

そう言うと私たちを
気にすることもなく
その場で着替え始めた。
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