担任は優しい旦那様
「ちょっと恋!!」

抗議の声を
上げたのは海棠さん。

「何よ?」

前橋さんは
気にせず、マイペースに
着替えている。

「ほら、終わった
後は琴羽だけでしょ?」

さっさと行くよと
前橋さんは部屋を出た。

今日四回目のノックをした。

『宮藤さん、起きてる?』

返事を待つ。

「はいはい、どうぞ」

声を掛けると、
すぐにドアが開いた。

「おはよう」

着替えは
終わってたみたいだ。

ちょっと安心
してしまった。

「あのさ、さっきっから
思ってたんだけど、
二人も名前で呼んでいい?」

海棠さんが突然
そんなことを言い出した。

『私はいいよ』

その方が何かと楽だ。

『理香は?』

「勿論いいに決まってるよ」

そして、私たちは
全員名前呼びする
ことになった。

『じゃぁ、
今から名前呼びね』

そうだ、面白いこと
思い付いた。

『ねぇねぇ、
誰かが苗字で呼んだら
罰ゲームってどう?』

「面白そう」

琴羽って
大人しそうなのに
ノリがいいんだなぁ。

『理香・恋・陽菜子は?』

「いいね、罰ゲームは
好きな人に
告白するっていうのは」

恋が楽しそうに言った。

皆で話しながら、
朝食を食べるため
リビングへ向かった。

昨日の夕飯もだけど
今日も朝から豪華だ……

そこで、考えた。

六人分の料理を
作るとしたら
何を作るだろう?

理香ん家みたいに
お金持ちじゃないから
そこまで豪華な物は
作れないけど、
皆が食べたい物を
作るんだろうなと思った。

『ねぇ皆、今度
家に泊まりに来ない?』

朝食を食べながら
話してみた。

「いいの?」

最初に答えたのは琴羽だ。

『うん、
マンションだから
広くはないけど
皆が泊まる部屋はあるよ』

「だって、
旦那さんは?」

『事前に
言っとけば大丈夫だよ
それに、何も今日明日って
わけじゃないんだし』

カップに残ってた
紅茶を飲み干してから答えた。

「じゃぁ、今度
泊まりに行きたい」

元気良く
答えたのは
陽菜子と理香だ。

『決まりだね』

よかった、皆
来てくれないかと思った。

「そうだ、
何時頃作り始める?」

時計は今、九時半に
なろうとしていた。

「十時半くらいは?」

理香が壁紙に
掛かってる時計を
見ながら言った。

食休みして
ちょうどいいね。

『じゃぁ、そうしよう』

皆が食べ終わり、
理香の部屋に集まった。

「明日、バレンタインだね」
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