担任は優しい旦那様
『藤沢はいつ来るんだ?』

私は夕飯を食べるマー君の
向かいに座りながら話している。

『来週の土曜に
駅前のファミレスに
十時って約束なの』

『華蓮、
何で駅まで
行くつもりだったんだ?』

何でそんなこと
訊くんだろうか?

『え? 自転車で
行こうかなって』

〈もしかして心配してる?〉

『土曜なんだろ?

俺が車出すよ』

〈やっぱりそうだ。

だけど疲れてるのに悪いよ……〉

『そんな、絢菜
迎えに行くだけ
なんだから
自転車で平気だよ』

せっかくの休みに
マー君が出ることないのに。

『俺が嫌んだよ……

華蓮可愛いから
ナンパでもされないかって
心配なんだよ……』

〈くすっ。
そんな心配
しなくても平気なのに〉

『分かった。

じゃぁ、お願いするね』

一度言い出すと
聞かないから
まぁいっか……

『絢菜には
後で言っとくよ』

『あぁ、そぉしとけ』

こぉして土曜日は、
マー君が車を
出してくれる
事になった。

今日が金曜日なので、
月曜に学校に行ったら
すぐに絢菜に
言う事にした

そして、月曜日。

本当は、教室で
言いたかったけど、
他の人に聞かれると
マズイので昼休みに
屋上で話した。

『そぉそぉ絢菜、
土曜日マー君が
車出してくれるって』

お弁当の卵焼きを
頬張りながら
絢菜が確認してきた。

「本当に? いいの?」

『うん
マー君が
そうしたいって
言ったから……』

私も、お弁当の
から揚げを
頬張りながら答えた。

「ぷっ。

どぉせ、先生が
しょうもない心配でも
してるんでしょう?」

飲み込もうとした
から揚げが喉に
詰まりそうだった。

『絢菜、
よく分かったね』

絢菜は何でも
分かるんだなぁ〜

「だって、先生って
そんな感じじゃん」

『そんなに分かりやすい?』

「うん、先生は
華蓮一筋って感じだもん。

それだけ
愛されてるって事よ」

なんだか恥ずかしいなぁ。

『そ、そぉなのかな?』

「そぉに
決まってるって。

じゃなかったら
いくら華蓮の為だって
言ったって
そこまでしないよ」

そう考えると
恥ずかしいけど
嬉しいかも……
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