【更新停止中】家政夫くんの攻略法



普段なら力の強さで負けないのに、風邪で弱っているせいかすぐに決着がつかない。


こんな馬鹿力だから彼氏がいねーんだよ!!


心の中で悪態をつけば、美保にはバレない。



「そういえば、小春ちゃんから電話あったわよ」



表情を変えずに淡々と口にする美保。




「———え?」




思わず聞き逃してしまい、レバーから美保の顔へ視線を移す。



ほんの一瞬力が緩んだのを美保は見逃さなかった。



「うっ...」



一気に口の中にレバーの臭みが広がる。



「まだまだ甘いわね〜」



口の中から吐き出すのも、飲み込むこともできず固まる事しかできない。

ルンルン気分な姉を睨み上げる。


「なに? もっと食べたいの?」

「う、ざけんなっ」


せめて噛んで味を出さないように言い返す。



「あ、ちなみに電話なんてかかってきてないから」


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