【更新停止中】家政夫くんの攻略法



ホッとしたような顔を見ると、私もなんだか安心したような穏やかな気分になる。


「どうして、”ぶどうちゃん”なの?」


「カイがさ、おつかいから帰ってきたときに、ぶどう味のキャンディーを握りしめてたんだ。

目に涙浮かべてたけど、決して泣いているわけじゃなくって。

誰にもらったか聞くと、”ぶどうちゃん”って」



わたしがカイくんに飴玉を渡した日のことを、本当に嬉しそうに語る彼。



そんな様子を見るだけで、弟のことを大事に思っていることが伝わって来る。



「ほんとは俺、あのときスーパーのそばにいたんだ。

でもよそ見してたから、気づかなくって」



ちなみによそ見していたのは、おばあさんがつまづいてしまったのを助けていたみたい。


そのエピソードを聞くだけで好青年さがわかる。


なんていいお兄ちゃんなんだろう。

まだ幼い弟が心配で、そばで見守っていたなんて。


ジーンと心に温かいものがくる。


< 219 / 257 >

この作品をシェア

pagetop