【更新停止中】家政夫くんの攻略法



「なんで...おまえがいるんだよ。

———頼」


「あっれー、うっきょんじゃん。

なんでかって? ここ、俺んち」


あーっ...そうだった。

中学の時から、自分の家は洋菓子屋で忙しいから遊びには来ないでくれって言ってたな。

それで店の名前がLettreってのも。


お互い家が自営業で親が忙しいの知ってて、深い詮索もしなかったし。


「え、プリン2つ? 右京の家、もっと家族いたよな?」

「いいから、プリン2つ。早く」


その急かした態度で、何かを察したのか頼はニヤニヤとひどい顔をする。


「おまえなー。もうちょっと大人にならないと、転入生に取られちまうぞ」


転入生。その言葉だけで、胸の中が黒くなる自分が嫌だ。


「...大人にってなにすんだよ」


「そうだな〜。とりあえず普段通りを心がけて、笑顔でいろよ?」


「これ、おまけな」とマドレーヌを二つ付けるあいつの顔に腹が立つ。


ろくに彼女もいないくせに、俺の心を見透かしているとこが。


< 244 / 257 >

この作品をシェア

pagetop