【更新停止中】家政夫くんの攻略法



化学室へ手早くノートを提出し、靴箱へとダッシュする。


靴箱へ寄りかかる彼女を見つけ、謝りながら駆け寄る。


「ごめんねっ、ほんと!」


わたしの姿を確認すると、いじっていた携帯をポケットにしまう彼女。


「ううん。遅かったね?」


艶やかな黒髪のロングヘアが、さらりと揺れる。


「ちょっと山口[ヤマグチ]くんにパシられちゃった...」


「はあ?!山口のやつ...」


ぎりぎりと沙織[サオリ]の顔が歪む。

やばい、このままじゃ山口くんのとこに殴り込みに行っちゃう。


山口くんとは今日の日直の相方。


部活に遅れたくないとのことで、わたしが仕事を引き受けたのです。


「や、あの、日直の仕事だよ?」

「平気だよ?」


全然気にしてないアピールを全開にする。


「ならいいけど」とちょっと不服な様子。


それでもわたしは、コクコクと思いっきり頷く。


沙織はわたしのために、熱くなってくれる子なのです。


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