『仰せのままに、お嬢様』《完》
大ゲサかもとは思う。

普通なら怪しい人影が
そこまで不安だとか、心配
だなんてことはないだろう。


でも――一応、自覚はしてる。

あたしの身の上を考えたら、
それが何かの陰謀や犯罪に
繋がる可能性は、一般の
人よりも相当高いわけで……。


「なんだ? もしよからぬ
輩がリリカちゃんを付け
狙ってるんだったら、
この俺が許さないぜ」


遼人さんが肩をいからせる
けど、楓さんが冷静な声で
ピシャリと言い放った。


「今第一にすべきことは、
身の安全の確保でござい
ましょう。

残念ですが、本日は至急
帰途につくのが最善と
思われます」


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