『仰せのままに、お嬢様』《完》
(昨日の今日で別の車まで
用意して。

出来る限りあたしが嫌な
思いしないように、気を
遣ってくれてるんだよね……)


楓さんがそこまであたしを
心配して、気遣ってくれてる。

その気持ちが嬉しくて、
断るのは申し訳ないって
思いが一番強かった。

だからあたしはコクンと頷いて、


「わかった。じゃあ、
しばらくはそうするね」


「ありがとうございます。

昨日のうちにお願いし、
校門で香奈枝様がお待ち
下さっております。

キャンパスでも、出来る
限りどなたかとご一緒に
お過ごし下さい」


――い、いつの間に香奈枝と
そんな話してたんだろ。

さすが楓さん。ホントに
抜かりない……。


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