『仰せのままに、お嬢様』《完》
そうしてあたしは、手配
してもらったというごく
普通の軽自動車に乗って
大学に向かった。


校門前に着くと本当に
香奈枝が待ってて、笑顔で
手を振ってる。


「おはよ、香奈枝。ありがとね」


「いいっていいって。

てゆーかリリカぁ。
こんな感じだと、もはや
彼氏のお見送りだねーっ」


「えっ? な、何言ってん
のよぉ、もうっ」


あたしが降りるやいなや
ニヤニヤして言うもんだから、
思わず大きな声をあげちゃった。

おかげでよけい、周りの
視線が集まったりして。


(は、恥ずかし……!)


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