狼様の愛のカタチ理論
「…沙優様」
「ごめん…なさいっ」
もう…左汰の言う通りだ
右汰のこの姿をみたら、さらに悲しみが私を襲って来て、苦しい
苦しみに飲み込まれて、自分自身が可笑しくなりそうだ
だから、もう右汰と左汰に謝るしか出来なくて…
「ごめ、んなさいっ」
左汰と眠る右汰に頭を何回も下げる私に左汰は慌てて私の肩をつかむ
「沙優様、止めて下さい!」
「っ」
「どうしてそんなに謝るんですか?」
「だって、私が悪いからっ」
「そのような事、私も右汰も思っていません!」
「…っ」
「沙優様、右汰は右汰の意思で貴女を守るために戦い、貴女を逃がしたのです」
「っ」
「敵わないと分かっていても、貴女を逃がした。それなのに、自分を犠牲にしてまで守り、無事だった沙優様が寝込んだ自分に謝り、自らを攻めていたら、右汰の思いはどうなるんですか!」
「………さ…汰っ」
左汰らしくなく、感情的に私の肩をつよく握り、高く怒ったような声で私に言う
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