狼様の愛のカタチ理論





「知里、もういいから…沙優様の前では恥ずかしい」


「いいじゃない、あの時のサイは凄かったんだから」


手を離して、両手を頬に当てて何かを思いだすようにポッと顔が赤くなる

凄かったって、何がだろう?

他人の恋愛話しは好き。とくにサイさんのそーゆう話しなんて初めてで


しかも、サイさんに人間の妻がいるなんて



つい、気になってしまって頭を傾げる私に


知里さんが私の耳元に近付こうとすると、それを制すようにサイさんが知里さんを引き寄せてしまう


「…知里」


「あっ!なによ!いいじゃない!」

「駄目だったら、ダメだ」

「もう!ケチ!」

ブーと頬を膨らませて怒る知里さんに、苦笑いしながらサイさんは私をみつめる


「沙優様、申し訳ありませんが、知里がこれ以上余計なことを言わないように送ってきますので、少々ここでお待ち下さい」


「え…あ、はい」


「そんな、私まだ来たばかりよ?それに沙優さんとお話を」

「それは、またの機会に」


「そんな…ちょっ、サイってば」


手をグイグイ引いて、サイさんは強引に知里さんを連れて行かれる



< 281 / 550 >

この作品をシェア

pagetop