狼様の愛のカタチ理論




手にかけるだなんて

物騒な事、言わないでよ。扇李なら、やりかねないじゃん…


「扇李…」


「あいつには、我からよく言っておく。だから、もし今のような事があったら逃げろ…よいな?」


少し身体を離しながら言う扇李にコクリと頷くと、安心したように再び抱き締められる


きつくじゃない、今度は優しく、包むような抱擁


「まだ、血が出てるな」

「ぅ…ん」

袖で撫でられて、再び血を拭かれていると正面から私を見下ろす彼と視線が重なる

「……あ」


ドキンと胸が再びなり、顔が熱くなってきて隠すように扇李の胸に顔を埋めるとクスリと笑いながら頭を撫でる


「意識してるのか?」

「し、してないよっ」


なんで意識しなくちゃいけないのよ

好きじゃないんだから、意識なんかするわけない


「そうか?顔を赤い」

「赤くないからっ、血のせいだよ…」

「へぇ、そうか」

「そ、そう!」


笑う扇李は絶対に私が赤くなってる意味を分かってる



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