狼様の愛のカタチ理論
「投げればって…暴力は駄目じゃない。第一、私がそんな事出来るように見える?」
首を傾げながら右汰と左汰をみると、少しの間もなく首を横にふる
「無理だな」
「無理です」
「…でしょ?」
そんな勇気ないし、ただでさえ言葉で挑発したんだからそんな事をしたら本当に命は危なかったよ
「でもまぁ、最終的には…扇李が助けてくれたから…良かったんだけど…ね」
な、なんか。自分で言って恥ずかしくて
それを誤魔化すように頬をかくと、呆れたような視線と笑う声が聞こえる
「ふっ」
「のろけてる場合か!もっと気を引き締めろ!だいたいサイさんもサイさんだ!知里さんを送ってすぐに戻れば沙優が怪我をすることにはならなかったんだならな」
「…それは」
確かにそうだけど、私はそんなことより、扇李が約束を守ってくれた事が嬉しいからいいんだ
なんて、そんなことを言ったらまた怒られるから言わないけど
「で、その肝心なサイさんはまだ来ないのか?」
脚を組みながら、ムッとした顔のまま右汰が言う
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