狼様の愛のカタチ理論
「いや、確かにそうだけどよ…こう、未来の夫婦なんだから話すだろ?色々と」
「話さないよ、そんなの」
「は、マジか」
「ただ、ベッドに入って寝るだけ、余計なこと話したら怒られるもん」
「怒られる…?」
「?」
「おい、沙優。お前、もしかして無理してないか?」
「…………?」
は?右汰は何を言うの?
いきなり、心配する右汰に私は頭を傾げて左汰をみる
「ねぇ、右汰どこかに頭でも打った?」
「右汰は気になってるんですよ」
「え?」
「沙優様が扇李と毎日寝てるのにも関わらず、扇李に抱かれてないことに」
「………!」
な、なんでそれを知ってるの!?
あ…いや、待って。そうだ、確か右汰と左汰って…鼻がきくんだっけ…?
ずっと以前の出来事を思いだして、急いで腕捲りをしながら匂いを嗅ぐと右汰は気まずそうに顔をそらす
「沙優たち、本当に寝てるだけなんですね」
「………」
「いつになっても、沙優様から扇李の強い匂いがしないんで、もしかしたらイヤな思いをして寝てるかと、右汰はずーと心配してたんです」
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