狼様の愛のカタチ理論
扇李?
"地上界の王は九条扇李"
確かに、サイさんはそう言った。ううん、ちょっと待って…
私は扇李の花嫁になるために来たわけで…その扇李が地上界の王ですって…?
それって……
「私って、王の花嫁だったんですか!?」
「はい?そーゆうことになりますが」
いや、いや!
「そんなのっ、む、無理です!」
花嫁になるって決めたのは私だけど、扇李が王だなんて初めて聞いた話しだ
一般的な神の花嫁ならまだしも、王の花嫁なんて私には荷が重すぎる!
「無理と、言われましても…」
冷や汗が流れるような顔で私を見つめてくる
「扇李がそれを言わなかったのは、こちらの責任です。ですが…もうここに来てしまったので…」
「……っ」
そうだけど、そうだけど!
「後で扇李に私からきつく言いますので、取り敢えず落ち着いて下さい」
サイさんはそう言うと、私の背中を数回撫で歩く事を促す
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