放課後は、秘密の時間…
そのあとに待ち受けていることが容易に想像できて、あたしは、力の限り強く彼を押しのけた。


「いや、やめてよっ!」

「市川をやめさせたい?」

「……っ……」


言葉につまったあたしを満足そうに笑って、堤君は再び手を動かす。

シャツのボタンが、まるで引きちぎられるように強引に外されていった。


や、いやっ……


でも、市川君があたしのせいで学校を退学なんて――

そんなこと、絶対にさせられない。


あたしは――……


「これさぁ、市川がつけたの?」


堤君の視線の先は、あたしの首の辺りにある。


きっと、以前市川君がつけていったキスマークのことを言ってるんだ。

大分薄くはなったけど、中にはまだ、ほんのり赤く残ってるのもあったから……


「オレもつけていい?」


鎖骨の上に、堤君が舌を這わせた。


同じことを市川君にされたときは、ただやめてほしいって、それだけ思ってた。

こんなに気持ち悪く感じなかったのに……


熱い舌の感触に嫌悪感が体中を走って、たまらず声を上げた。


「やぁっ……誰かっ……」

「誰も来ないって。市川も来ない」

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